【怖い話】廃校の肝試し

短編の怖い話



ある町には、廃墟と化した古い学校があった。その学校には、かつて起こったある事件が原因で、突如として閉鎖されたという伝説が語り継がれていた。夏休みのある日、町の高校生5人組が、その廃校に肝試しをしようという話になった。

夕暮れ時、彼らは学校の敷地に足を踏み入れた。薄暗い校舎の中を進むと、旧式の教室やホール、講堂が広がっていた。そして、彼らは、3階の保健室で、古いアルバムを見つけた。

アルバムには、学生たちの笑顔や日常の風景が写真として残されていた。しかし、ページをめくるにつれて、写真には異変が現れ始めた。生徒たちの顔が書き換えられており、目や口が真っ黒になっていた。

そして、アルバムの最後のページには、学校の中庭で撮影された大きな集合写真があった。その写真の中央には、顔や服装が完全に真っ黒になった一人の少女が立っていた。その少女の足元には、手を組んで座っている5人組の写真が貼られていた。その5人組とは、今、この廃校に来ている彼ら自身だった。

彼らは、恐怖に震えながら学校を出ようとした。しかし、校舎の出口は、何者かに閉ざされていた。そして、突然の停電。懐中電灯の明かりだけで、彼らは出口を探し始めた。

ある教室のドアを開けると、真っ黒になった少女が彼らを待っていた。少女は無言で彼らに近づき、彼らの顔を一つずつ見つめた後、彼らの前で消えていった。

翌日、町の人々は廃校の敷地から、5人の高校生の死体を発見した。彼らの顔は、アルバムの写真と同じように真っ黒になっていた。



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