【都市伝説】ひきこさん

短編の怖い話



昔々の話、とある町に「ひきこさん」という恐ろしい伝説が存在していた。

雨の日、放課後、子供たちが一人で帰宅する道すがら、背後から「ひくよ…ひくよ…」という声が聞こえることがあった。その声を聞くと、子供たちは後ろを振り返ってしまう。そこには、赤い衣を着た女性の姿があり、彼女の足は地面を引きずっていた。そして、彼女はゆっくりと子供たちに近づいてきた。

「ひきこさん」の正体は、かつてこの町で交通事故に遭い命を落とした女性だと言われていた。彼女は事故の際、足をひきずられて命を落とし、その怨念が現れていると都市伝説では囁かれていた。

ある雨の日、大切な友達の家に遊びに行った帰りの少年が、この伝説の主、ひきこさんに出会ってしまった。少年は道の途中で「ひくよ…ひくよ…」という声を聞き、背筋が凍る思いをした。後ろを振り返ることなく、一目散に家に帰ろうとした。

家にたどり着いた彼は、すぐに家のドアを閉め、安堵の息をついた。しかし、その夜、家の窓ガラスに「タッタッタッ」という音が響き、恐ろしい声が聞こえてきた。「ひきこさん」は彼の家まで来ていた。

彼は怖さで布団に顔を埋めていたが、突然その声は途切れた。朝になって、彼が窓を開けて外を見ると、地面には赤い衣の跡があり、道の途中には女性の足形が残されていた。

この都市伝説は町中に広まり、雨の日の帰宅は特に子供たちが怖がるようになった。そして、この伝説は世代を超えて今でも囁かれているという。



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