【漫画】着色料は虫から出来ていた!?【マンガでわかる】

【怖い話】13階段

短編の怖い話



 僕の通う小学校の旧校舎の屋上は使われていない。

 階段は12段あるのだが、13段目を踏んでしまった時は、恐ろしい事になるらしい。踏んでしまうと、死の世界に誘われるのだとか。

 学校の6限目の授業が終わった後、僕は、校門で、しばらく風邪で休んでいた浩一(こういち)から声を掛けられた。

「よう、亮君、一緒に遊ばない?」
 彼の手には、サッカー・ボールが握られていた。
 僕は頷く。

 そして、僕と浩一は、夕方遅くまでサッカーをして遊んでいた。
 元々は校庭で蹴り上げたサッカー・ボールが、勢い余って、旧校舎の方へと向かっていき、その探索を行おうという事から、屋上へと続く13階段の話になったのだった。

 夕方の旧校舎はとても不気味だった。
 退校のチャイムはとうに鳴り終えている。
 僕達二人は、例の屋上へと続く13階段のある場所へと向かった。

「何だか、怖いね」
 僕は思わず、呟く。
「まあ、大丈夫なんじゃないかな?」
 浩一は、ひょうひょうと笑う。
 しばらくすると、例の屋上へと続く階段らしき場所に辿り着いた。

「此処かな?」
 僕は訊ねる。
「登ってみようか」
 浩一は答えた。
 そして、僕達は一段、二段、と数えながら、階段を上がっていった。
 確かに、そこは13段ある。
 13段目に差し掛かった。
 その先には、少し離れて、14段目とも呼べる階段があった。

「此処、踏んだら、マズイんだっけ?」
 僕は浩一に訊ねる。
「もしかして、飛び越えて、14段目までいけばいいんじゃないかな?」
 そう言うと、浩一は、13段目を飛び越えて、勢いよく着地する。この先には屋上へと続く扉があった。

「ねえ、亮太(りょうた)。此処、開いているよ」
 浩一は楽しそうに言った。
 そして、僕も浩一の真似をして、ジャンプして最後の13段目を飛び越えようとする。
 だが。
 僕は、ジャンプの仕方が悪かったのか、14段目の階段をつま先で踏んだ後に、転んで、13段目に尻持ちを付く形になった。
 ……かなり、痛かった。

「痛ぁあ……っ」
 僕は、唸る。
 屋上にいた浩一は、此方に戻ってきた。

「おい、もっと頑張れよ」
「いや、でも…………」
「そこ、13段目じゃん。踏むどころか、尻持ち付いている」
「痛いよ、ちょっと、脚、擦りむいた……」
「13段目は死体の身体だって噂だけど、どんな感触?」
「普通に木だよ。痛い…………」
「屋上来てみなよ、夕焼け、綺麗だぜ」
 そう言って、浩一は僕の腕をつかむと、屋上へと誘う。

 風が、勢いよく吹いている。
 空は群青色で、オレンジと混ざって、とても綺麗だった。
 
「そういえば、俺、もうすぐ転校するんだよねえ」
 浩一はそんな事を言った。
「ん、そうなの?」
「両親の都合でさ」
 彼は笑う。

「けれど、此処、特に何も怖くなかったね。亮君、無事みたいだしさあ」
 彼はそう言って、笑う。
 そして、返る時に、13段目を踏んでみる。
「本当だ。ただの木だね、なんだか、拍子抜けした。もう帰ろうか」
 そう言って、僕と浩一は、その日は家へと帰る事にした。

「亮君さあ。もし、僕が死後の世界に連れていかれたら、どうする?」
 彼は訊ねる。
「そりゃ、引き戻しに頑張るよ」
「そっか」
 浩一は笑った。
「どちらかが死んでも、親友でいてくれる?」
「変な事言わないでよ、親友でいるよ」
 浩一は再び、笑った。

 三日後。
 浩一が首吊り死体で発見された。
 彼のマンションはゴミ屋敷になっており、両親は失踪していた。

 ちなみに、浩一のマンションの階段は14段だったらしい。
 彼のマンションへと続く階段の途中、13段目に遺書らしきものが残されてたという事だった。内容は、僕、亮太に充てたものだった。

‐亮君へ。もし、どちらかが死んでも、ずっと親友でいようね。約束、忘れていないよね?‐

 僕はそれを聞いて、寒気がした。
 警察の証言によると、浩一は両親から虐待を受けていたらしい。彼の身体の所々には、煙草を押し付けた痣や、刃物で刻んだ痣、墨汁か何かで刺青のようなものが入っていたりしたそうだ。彼の胃の中からは、金属片のようなものが発見されたらしい。浩一は、家での事を、僕や学校の他の友達には隠していた。浩一はよく、近くの銭湯を利用していたらしく、どうやら、お風呂に入れさせて貰えなかったみたいだった。

 警察は事件性があると判断して、浩一の両親を探したが、ついに見つかる事は無かった。

 ……死んだ後も、親友でいようね、か。
 僕は、何とも言えない気分になった。

 司法解剖の結果、浩一が死んだのは、四日前。
 つまり、僕と遊んでいた浩一は、一体、何だったのか……?

 あの日から、浩一は、僕に会いに来る。
 14段ある階段が、彼と僕を繋ぐ“扉”のようなものになっているみたいだった。
 14段ある階段で、13段目を踏むと、後ろから、浩一の声が聞こえてくる。僕がどんどん年齢を重ねるにつれて、浩一の声はより近付いてきて、より生々しくなり、そして、両親から受けた仕打ちのカミングアウトを行い始める。

 僕は、少しずつ、心を病んでいって、14段ある階段を見つけた時に、決して13段目を踏まないようにした。高校生になって、引っ越しバイトをしたりした時に、現場のアパートやマンションの階段がちょうど14段だったりすると、急病を言って、バイト先から帰ったりする事がしばしば増えた。そして、僕は引っ越しのバイトを止めた。
 他にも、通っている高校に、ちょうど14段ある階段があれば、そこを避けて通った。
 
 きっと、年齢を重ねると、浩一はもっと僕に近付いてくるのだろう。
 僕は、ある日を境に、絶対に14段ある階段の13段目を踏まないようにした。浩一は、向こうの世界で僕を恨んでいるだろう、約束を破り続けているのだから。

 もし、このまま13段目を踏まずにい続けると、一体、浩一からどんな恨みを向けられるのか。……考えただけでも、怖しい。

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