【怖い話】記憶

短編の怖い話



友人とのキャンプを楽しんだ夏の日、鈴木は一眼レフを手に、撮影の趣味を思う存分楽しんでいた。彼女たちの日常の瞬間や、自然の美しい景色を撮影する中、彼女の特にお気に入りの一枚は、友人の奈々と自分が背中合わせになり、笑顔でポーズをとった写真だった。

しかし、帰宅後、その写真をPCで拡大してみると、鈴木の首に細い手のようなものが巻きついているのが見えた。初めは光の反射か何かの影だと思い、特に気に留めなかった。

しかし数日後、鈴木の首に紫色の痣のようなものが浮かび上がり始めた。それは日に日に濃くなり、まるで何かが首を強く絞めているかのようだった。

彼女はその痣の原因を考えてみたが、キャンプ中に怪我をした記憶もなく、原因が分からなかった。そんな中、気になった鈴木は再びその写真を確認してみると、先日よりもはっきりと手が浮かび上がり、その先端からは顔や髪の毛が伸びていた。

恐ろしいことに、その手や顔は日に日に鮮明になっていき、写真の中で動き、鈴木をじっと見つめているかのようだった。

パニックになった鈴木は、霊感のある友人や心霊スポットに詳しい人に相談した。すると、キャンプ地近くには、かつて自ら命を絶った人の霊が出るという伝説があることを知らされた。

鈴木は、何かの手違いでその霊が写真に写り込み、自身に憑依してしまったのではないかと恐れた。

最終手段として、霊能者に相談に行くことに。霊能者は写真を見ると顔をしかめ、厳しい表情で言った。

「これは強力な怨念が宿っています。このままでは命の危険が…」

霊能者は写真を祓い、鈴木の身体からもその怨念を取り除いた。その後、鈴木の首の痣は次第に薄くなり、ついには完全に消えた。

しかし、鈴木はその後も、夜な夜な首を絞められる夢を見るようになった。そしてある日、その夢の中で、写真の中の女の顔をハッキリと見ることができた。彼女は、悲しげな表情で囁いた。

「私も、こんな風に記憶に残りたかったの…」

鈴木はその夢から目を覚ましたが、その後も彼女の言葉が耳に残り続けた。



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