【怖い話】午前0時のお客様

短編の怖い話



もう10年くらい前の話なんですが、当時勤めていた会社が倒産し、正社員で仕事をさがしていてもなかなか良いところが見つからず、コンビニととあるドーナツ屋で掛け持ちでアルバイトをしていた時期がありました。
コンビニは昔からあったところなんですがドーナツ屋は当時オープンしたばかりで、深夜2時まで営業、オープンからスタッフとして働いていました。
当時は深夜まで営業しているお店が周囲に少なかったので、オープン当初からしばらくは閉店までお客様が多かったのですが、月日が経つにつれ、深夜のお客様は減少し23時をすぎると客足がまばらな状態でした。

オープン当初から働いていたものの、昼間がメインだったので夜の状況は店長や社員さんから聞く程度。
お店がオープンしたのは3月頃で、11月頃に翌月のシフト提出前に店長に夜勤に入れないかと打診されたんです。
何でも昼間の人手が多いのと近々夜勤の人が2名辞めることになったので、夜間の人が足りないとのこと。
深夜時間帯なので時給も上がるし、掛け持ちしていたコンビニの方はこれからシフト希望出す予定だったので、私は何も考えずにOKしてしまったんです。
近々辞めることになっていたうちの1人、Aさんとはたまに夕方時間帯に一緒に仕事をすることがあり、休憩時間によく話しをしていたのですが、私が夜間に入ることを伝えると驚いた顔をしていました。
「悪いこといわないから、夜間はやめたほうがいいよ」
真顔でそんなことを言ってくるのです。
時間帯的に変質者や質の悪い人でもいるのかと聞いても、首を横に振るだけ。
もう一人退職予定の夜間の人は全く顔をあわせたことがないので、一体何があるのか詳細がわからないままAさんは退職しました。
ただ辞めるときにお互いのアドレスと電話番号を交換していたので、その後もやり取りは続いています。

夜勤初日は今まで顏を合わせたことのないBさんとのペアだったので、気づかれしていたのもあってか、結構しんどかったのを覚えています。
でも店長や店員さんがいうとおり、昼に比べたら夜間はお客様が少なくて、接客は楽だったんですよね。
バックヤードでの作業がちょっと覚えるの大変かなと思ったくらいだったのですが、異変は初日から起こっていました。
23時くらいから、お客様の出入りがないのにお店の自動ドアが勝手に開く、置いておいたものが別の場所に移動している……。
初日だったのもあったし、一緒に勤務している人が何も言わないので、自動ドアは故障しているのかセンサーの誤作動かと思ったんです。
物の移動に関しても、私物じゃなく仕事で共有で使っているものだったので使って元の場所に戻さなかっただけだろうと。
そして午前0時まであと10分くらいとなったところで、指定された休憩時間でもないのにBさんが急に休憩取るとか言い出して。
まぁお客様いないし、仕事もひと段落ついたからOKして一人で店頭にいたんですが……。
午前0時になってから女性のお客さんがいらしたのですが、この日は特に冷え込みが厳しい日で雪もちらついているのに、半袖のワンピースにサンダルという服装。
髪の毛は腰くらいまで伸びていて、うつむき加減で入ってきて顔をしっかり確認はできませんでした。
レジの方へやってきたので、テイクアウト商品の購入かと思ったんですが……ずっとうつむいていて何も言わないんです。
私が話しかけても黙っているだけ。
どうしようと困っていると他のお客様が来店されて一瞬目を離したんですが、レジの前に視線を戻すと女性の姿はなくなっていました。
一瞬焦ったのですが他のお客様の注文などの対応をしていて、その日は結局Bさんにも話しせずに仕事が終わりました。

翌日以降も私は夜勤続きだったんですが、一緒にペアになる人がBさんのように夜勤長い人だと決められた休憩時間でもないのに、必ず午前0時ちょっと前から休憩に入ることに気付いたんです。
相変わらず物が移動したり、自動ドアが23時ころから勝手に動く、午前0時に必ずワンピースの女性が現れる……そんなこともずっと続いていました。
なんだか面倒事を自分に押し付けられているような気がして、ムカついてある日店長に話ししたんですよね。
いろいろとおかしなことが起こってること、夜勤の長い人が休憩時間でもないのに必ず午前0時には休憩にはいることとか。
そしたら店長、何ていったと思います?
「時給上げるから我慢してくれ」
ただそれだけ。
まぁ気持ち悪いっていうのはあったけど、それ以外特に害がなかったのでこのとき了承してしまったんですが、すぐに辞めることになりました。

私がドーナツ屋でのバイト最後になった日。
その日もいつもと同じように仕事していて、やっぱり午前0時前に相手が休憩に入り、いつものワンピース姿の女性が現れたんです。
このとき他にお客様いなくて、そしてなぜか私凄いムカついてたんですよね。
それで何で毎日同じ時間にきて、何も言わないで消えるのか、ふざけないでくれって怒鳴っちゃったんですよ。
そしたら……。
急に女性が顔を上げたと思ったら、その両目は落ちくぼんで眼球がなく真っ黒で。
いきなりそんな状態の顔を見てビックリして何も言えず固まってしまったのですが、女性は両手で私の首を絞めてきたんです。
慌てて振りほどこうとしたんだけど相手の力がものすごく強くて……。
気を失ってしまい、気づいたら病院で高熱を出して寝込んでいました。
女性が私の首を絞めたのは現実にあったことのようで、両手の跡がしばらく首から消えなかったんです。

そんなこともありドーナツ屋のバイトをその日付けで辞めることになったのですが、後からAさんから聞いた話だとそのお店の建設中に、人骨が発見されたんだとか……。
私は怖い話とか興味なかったので知らなかったのですが、結構地元じゃ出るって有名なお店だったらしいです。
結局そのお店、あの女性の幽霊が原因かはわかりませんが、私が辞めてから半年くらいで潰れてしまいましたが、あの女性は何を言いたかったのかなと、今でもふと思うことがあります。



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