【怖い話】廃神社で出会ったもの

短編の怖い話



実家近くに小さな神社があったんだけど、町内や自治会の人達が綺麗に掃除したり、お祭りごとなんかをやっていて子どものころはきちんとお祀りされてたんだよね。
実家がものすごいド田舎なこともあって、高校は遠方の寮つきの学校に進学したこともあって、それ以降ずっと地元を離れていたんだ。
でも盆と正月、ゴールデンウィークくらいは帰省していたんでその都度お祭りごとやら神社の掃除なんかに駆り出されてた。
順調に高校・大学と卒業したんだけど、入社した会社がブラックでまともに休みが取れず数年地元に帰ることがなかったんだが、先日体調を崩したこともあって会社を辞めたんで実家に帰ることにしたんだ。
家や両親、姉妹は相変らずだしご近所も代り映えせずだったんだけど、小さな神社だけがかなり変わっていてびっくりしたよ。
以前は小ぎれいにされていたのにさ、数年ぶりにいったら荒れ果ててるの。
親に一体どうしたんだって聞いたら、なんでも自治会や町内の高齢化がすすんで管理が難しくなってきたこともあって、近くにある大きな神社の方に神様移動して、小さい神社は廃神社になってしまったとのこと。
神様いないのに取り壊ししないのかって聞いたら、解体して廃材処理する費用が掛かるからそのままになっているって。
何だかいたたまれない気持ちになって、翌日一人で廃神社とその周辺を散策したときに、変なことがあったんだ。

小さな神社は町内の外れの小さな山の中にあるんだけど、なんせ田舎なもんで周囲は畑しかなく、個人宅や他の町内からは2キロは離れてて時々畑仕事の音が聞こえるくらいでかなり静かな場所だった。
麓から小さな神社までの道は一応車は通ることができるけど、舗装されていなくて土を踏み固めたような獣道に近い感じだったけど、天気もよくわり割と歩きやすかったよ。
時々野鳥が鳴いているくらいで、小さい頃から何度も通っているし野犬なんかはいないの分かっていたから怖いとは思わなかった。

でもね、小さな神社に近づくにつれ何だかおかしな雰囲気を感じたんだ。
霊感なんかないんで、何かいたのかとかはわからないけどなんだかいつもと違う、暗い雰囲気が神社に近づくにつれ強くなってる感じ。
小さな神社の周囲は整地されていたんだけど、今や雑草が生え放題、神社自体も木造でかなり古いものだったから、板があちこち傷んでいて見ていてなんだかとても悲しくなった。
でね、付近に小川が流れていたよなぁとそっちの方にふらふらと歩いて行ったときに、神社の中に人影が見えたような気がしたんだよね。
人影の大きさや体型的に小学校低学年くらいの子供のような気がしたんだ。
どこかの家の子が入りこんでるのかと思ってなにげなくのぞいてみたら……いたんだよ、子どもが。
それも古臭い着物きた男の子でなぜか素足で、おっかなびっくりな顏して俺のこと見てるの。
そしてね、その男の子の足元に1匹の白い子犬がいたんだけど、こっちは俺のこと全く気にせず眠そうにしてた。
どこの家の子なのかとか聞いてみたんだけど男の子は何も言わなくてさ、んで放置しておくのもマズイかなぁと思ってどうしたもんかと悩んでたら、男の子が神社から出てきて、俺に何か渡そうとしたんだよね。
何だか不気味な感じもしてちょっと怖かったんだけど、男の子が渡してきたものを受け取ってしばらくしてそれが何かに気付いた。
男の子が渡してきたもの、俺が子どものときに神社で会って遊んだ子にあげたキーホルダーだったんだよ。
なんでこの子がって疑問に思ったんだけど……しばらくして目の前の男の子が子どものときに一緒に神社で遊んだ子だってことに気付いた。
それに気づいたのか、男の子はにっこり笑って「バイバイ」って、一言だけ言ってまた神社の中に入って扉を閉めたとたん、突風が吹いたんだよね。
風はすぐにおさまったんだけど慌てて中に入ったら、男の子と子犬の姿が消えてたんだ。
周辺をしばらく探してみたんだけど、男の子も子犬も神隠しにでもあったかのように消えてしまったんだけど、不思議と怖いとは思わなかった。
帰り道は小さな神社周辺の暗い雰囲気が気のせいか和らいでいるような気がしたし、何かに見守られているような気もしていたんだけど、多分気のせいだよな。

家に帰ってから父親に男の子と子犬の話をしたら、あの神社でお祀りしていた神様か、そのお使いだったんじゃないかって言われたんだけど、子供のころに神社で遊んだ男の子のことを話したときはそんなこと一言も言わなかったのになぁ。

こんな不思議なことがあったからか、その日変な夢もみたよ。
あの小さな廃神社がまだお祀りされていた、俺が子どものころの風景。
そしてそこにいるあの男の子と白い子犬、多分男の子の母親と思われる着物姿の女性の姿もあった。
男の子はとても楽しそうに子犬と遊んでいて、俺に気付いてこっちに駆けてきた。
夢の中では俺も男の子と同年代で、一緒になって遊んでてたまたま鞄に付けていたキーホルダーを男の子が珍しがっていたのであげたんだけど、起きてから夢の内容が昔男の子と遊んだ時のことだったことに気付いた。
なんだか悲しくなって朝からちょっと泣いてしまったのはここだけの話。



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