【怖い話】100物語を中断したら……

短編の怖い話



中学生時代、友人の倫子と美津子の3人グループでいつも遊んでいたのですが、全員心霊話とか興味あって、よくホラー系の漫画雑誌を買っては回し読みしてたんです。
当時は夜にやってる心霊の特番は全員チェックして、翌日はその番組の内容のことで話題が尽きませんでした。
3人とも霊感がなく見えないものだけに、余計に興味を持ったのかもしれません。
夏休みなんか近くに心霊スポットと言われている廃墟や、史跡なんかに3人で出かけて、写真を撮ったりもしていましたが心霊現象に合うこともなく、心霊写真も撮れた試しがなかったんですよね。

あれは中3の夏休みのことでした。
倫子が100物語やろう、って言いだしたんですよ。
参加者は私と美津子だけで、倫子の家でやることになったんです。
でも3人じゃすぐにネタに詰まるんじゃないかと思っていたんですが、当日倫子の知り合いが3人ほど来ていました。
心霊もの以外でも共通の趣味のある人達だったので、軽く自己紹介した後はしばらく趣味の話で盛り上がっていました。
倫子の家はかなり広くて、全員が寝泊まり出来る部屋が2階にあったので、この日は全員泊まることになっていたんです。
9時くらいに集合で、お昼済ませてからようやく100物語を開始しました。
ただ1人あたりの怖い話の数が多くなるので、実体験でなくともテレビでやってた話とか、雑誌に載っていた話でもOKってことになってたんですよね。
蝋燭も100コ用意するのは無理ってことで、あえて用意はせず、ただ怖い話をしているだけという感じでした。
話し始めてから終わるまで、最短で5分くらいだったでしょうか。
長い話だと10分くらいかかることもありましたが、怪奇現象なども起きず割と順調に進んでいたんです。

途中トイレ休憩なんかも入れながらだったので、ゆったりとしたペースだったのですが、17時すぎに外出から戻ってきた倫子の妹の美優が、血相変えて部屋に入ってきたんです。
「お姉ちゃんたち何やってるの!!」
そう大声で叫んで、美優は部屋に入るなり倫子に怒鳴り続けていました。
実は美優は霊の見える子で、倫子からも色々体験を聞いていたんですが、何でも家の外に真っ黒な人型のものが何体かうろついてるっていうんですよ……。
「何とか家に入ったけど、あいつらがいなくなるまで外に出れない」
「今出て行ったらあいつらに見つかる」
「これ以上怖い話続けたら、あいつら家に入ってくる」
こんなことを、泣きそうになりながら美優は言っていました。
倫子は美優を部屋に連れて行ったので、100物語は中断。
20分くらいして倫子が戻ってきたと思ったら、倫子のお母さんも一緒だったんです。
「100物語は中止」
お母さんにそう言われてしまい、結局100物語は中途半端な状態で終わってしまいました。
それだけならまだよかったのですが……。

夕飯はみんなコンビニで昼間にご飯買ってきてたので、各々購入してきたもの食べて、100物語のことすっかり忘れて趣味の話し楽しい時間を過ごして、割と早い時間に就寝したんです。
私は元々寝つきが悪くて、布団に入ってもなかなか寝れずぼんやりしてたんですよね。
月明かりが室内を青白く照らしていて、不気味だなぁと思ってました。
何時ころかはわかりませんが、深夜に美津子がトイレに行ったのか、部屋から出て行ったんですよね。
階段を降りる足音がしていたんですが、何かおかしいんですよ。
2人分の足音が聞こえているような……。
美優の部屋も2階なので、たまたま一緒のタイミングで部屋出たのかな、とも思ったんですが……。
寝返りをうって部屋のドアの方を見たら、ドアは開けっ放しだったんですがドアの高さぎりぎりまである黒い人影がそこにいたんです。
細長く明かに美津子とは違う不気味な影で、とっさに背を向けて目をつぶりました。
しばらくして階段を上がってくる足音が聞こえたんですが、今度は1人分。
パタンとドアを閉める音がしたので、今度は美津子かなと思ったんですが、だとしたら美津子にはあの黒いもの、見えてないのかが気になりました。
でも起き上がる勇気もなく目をつぶっていたんですが、何かが動いている気配がして気持ち悪くて。
段々とその気配が近づいてきて、私の寝ている場所の近くをぐるぐる歩いているような感じで、怖くて隣の子を起こそうかと思ったんですが、身体が全く動かなくてどうすることもできませんでした。

どれくらいの時間が経ったのかわかりませんが、気づくと気配がなくなっていて、身体も動くようになっていたのでいなくなったのかと安心して目を開けたら……。
私の顔の真ん前に、顔の半分くらいはあろうかという大きな目をした、禿げ頭の男の人の顔がありました。
私と同じように横になって、私をじーっと凝視してたんです。
驚いて声を出しそうになったんですが、声は出ず私はそのまま気を失ってしまいました。

朝になって倫子に起こされたのですが、私が気絶している間に美優が階段から足を滑らせ足首を骨折して、病院に運ばれたそうです。
「トイレに行こうとして、階段を降りはじめたときに黒い人に押された!!」
そう言ってたそうですが……。
倫子が呼んだ人達の中で、夢で幽霊に追いかけられたって言っていた人もいました。
私のように誰かが顔を覗き込んでいる気配がしたとか言っていた子もいます。
美津子は風邪でもひいたのか体調が悪そうだったので、午前中にお開きにして全員帰宅しました。

その後私には特に何もなかったのですが、倫子が1週間後に交通事故に巻き込まれ入院、美津子は2~3日後に肺炎を起こして入院しました。
倫子が呼んだ子たちも、1カ月以内に大きなケガや体調不良があったそうです。
単なる偶然なのか、中途半端に100物語終わらせてしまったせいなのかはいまだにわかりませんが……。
興味本位で100物語とか、やるべきではありませんね。



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